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AIに仕事を奪われる美容師、AIを使い倒す美容師 — 分かれ道はもう始まっている

AIに仕事を奪われる美容師、AIを使い倒す美容師 — 分かれ道はもう始まっている

「AIで美容師の仕事、なくなっちゃうんじゃない?」

お客様と話していると、たまにこう聞かれます。結論から言います。髪を切る仕事は、なくなりません。AIは手を持っていないからです。カットもカラーも、シャンプーも、AIには一生できません。

でも——美容師の「まわりの仕事」は、確実に変わります。今日はその話です。奪われるかどうかの怖い話ではなく、何を任せて、何に集中するかという話です。

美容師の仕事は「切ること」だけじゃない

一日を振り返ってみてください。実際に鏡の前でハサミを握っている時間、どれくらいでしょうか。

予約の管理、カルテの記入、在庫の発注、レシートを見ながらの記帳、SNSやLINEの販促、次回来店の提案。技術以外の"事務仕事"は、想像以上に膨大です。そしてこれが、一日の体力と時間を、じわじわ削っていきます。

AIが変えるのは、まさにこの部分です。ハサミを持つ手ではなく、その前後にある雑務。ここをどうにかできれば、美容師は本来の仕事——お客様と向き合う時間に、もっと集中できます。

AIが得意なこと、苦手なこと

過剰に期待するのも、頭ごなしに拒むのも違います。正直なところを整理します。

AIが得意なこと

  • 文章を作る(販促LINE、SNS投稿)
  • 情報を整理する(カルテのメモを要点にまとめる)
  • パターンを見つける(来店周期・売上の傾向)
  • 下書きを高速で出す

AIが苦手なこと

  • 手を動かす施術
  • その人だけの信頼関係
  • 場の空気を読んだ接客判断
  • 最終的な「決め」

つまりAIは、優秀なアシスタントであって、スタイリストではないということです。任せられる雑務は任せて、人にしかできないところに集中する。それが正しい付き合い方です。

正直、これは楽になった

私自身、実際に使ってみて「これはすごい」と思ったものがいくつかあります。

まず記帳。レシートを写真に撮るだけで、AIが読み取って帳簿の形にしてくれる。あの、机に溜まったレシートの山と格闘する夜が、ぐっと減りました。

そしてカルテの整理。施術中に気づいたことを、あとで文章にまとめるのは地味に面倒です。ところが、話した内容をそのままAIに渡すと、要点にまとめてくれる。これには正直、驚きました。手が濡れていても、口で言えば記録が残る。この感覚は、一度味わうと戻れません。

どれも、私を「置き換える」のではなく、私の「雑務を巻き取ってくれる」方向のものです。空いた時間は、そのままお客様との時間に回せます。

でも、みんな使えていない

ここが本題かもしれません。

お客様と話していると、AIについて、だいたい二種類の人がいます。「AIって何でもしてくれるんでしょ?」と言う人。そして「何でもできるんでしょ?」と言いながら、実は何も使っていない人。後者が、圧倒的に多い。

会話アプリは触ったことがある。でも、それを「自分の仕事の何に使えばいいのか分からない」。この人が本当に多いんです。道具はそこにあるのに、使い道が見えていない。

そして、使っていない人に限って、こう言うんです。
「AIでアプリなんか簡単に作れるんでしょ? そんなの今さら売れないよ」
……いやいや、簡単じゃないですから。ものすごく時間がかかるんですから。と言っても、なかなか通じない(笑)。

私の友人にも、そういう人がいました。彼はAIを触ったことすら一度もない人種でした。それなのに、言うことは強気なんです。「AIを使えば何でもできるんだろ?」かと思えば、「そんなの使ったら頭が悪くなる、考えない人間になるからイヤだ」。挙句には「カルテ整理は自分でやらないとお客様に誠意がない」——なんだかよく分からない理屈まで飛び出しました。

でも、本当のところは違ったと思います。触っておかしくなったらどうしよう。分かっていないことがバレるのが恥ずかしい。要するに、不安だっただけなんです。食わず嫌いの正体は、たいていこれです。

そんな彼が、最後にこう言いました。
「まあ、大倉くんがそこまで言うなら……試しに使ってみてあげてもいいけど」

白状すると、私はここでかなりカチンと来まして、つい言ってしまいました。

「ボタンを押すだけにしておいたから。あなたでも……あなたですら、使えるようにしたから」

——完全に喧嘩腰です(笑)。でも、それくらい「いいから一回触ってみてくれ」という思いがあったんです。

後日談があります。しばらくして、一緒にゴルフを回っていたときのこと。彼が、別の友人に向かってこう言っていたんです。

「AI、早く使い出さないと時代の波に取り残されちゃうぜ。お前も使ったほうがいいよ。大倉くんが、お前の業種のアプリも作ってくれるよ、きっと。スタッフを数人雇った感覚になるから」

……おいおい、簡単に言うなよ(笑)。しかも、どの口が言うんだよ、と。あれだけ嫌がっていた本人が、いつの間にか誰よりの伝道師になっていました。

でも、これがすべてを物語っています。触る前の不安と、触った後の景色は、まったく違うということです。

差がつくのは「使うか、様子見するか」

新しい道具は、いつだって、早く触った人が慣れて差をつけてきました。パソコンも、スマホも、LINE予約も、最初はみんな「難しそう」「うちには関係ない」と言っていた。でも、早く使い始めた人が、気づけば当たり前に使いこなしている。

AIも、まったく同じです。怖がって遠ざけるより、まず一つ触ってみる。その差が、5年後には「自分の時間を取り戻せた人」と「相変わらず雑務に追われている人」の差になります。

ただし、AIに丸投げしてはいけないもの

もちろん、何でもAI任せにしていいわけではありません。

AIが作った販促文を、そのまま送らない。必ず自分の言葉に直す。AIの提案を鵜呑みにせず、目の前のお客様を見て、最後は自分で決める。お客様との関係、最終判断、人としての言葉——ここだけは、絶対に手放してはいけません。

道具は使う。でも、主役はあくまで人。この一線さえ守れば、AIは怖いものではなくなります。

ANEXISの場合
ANEXISは、AIを「美容師を置き換えるため」ではなく「美容師の時間を返すため」に組み込んでいます。施術前にカルテの要点を整理したり、お客様への販促文の下書きを作ったり、来店周期をお知らせしたり。難しい操作は必要なく、基本はボタンひとつ。「AIをどう使えばいいか分からない」という方でも、自然に使える形を目指しています。詳しくはANEXIS SalonOSのご案内をご覧ください。

まとめ — 空いた時間を、どこに使うか

AIは、美容師の敵でも、救世主でもありません。ただの、よくできた道具です。

奪われる心配をするより、その道具で空いた時間を、お客様と向き合う時間に使えるかどうか。使えるものは使って、美容の仕事に専念する。それが、これからの美容師の、いちばんシンプルで確実な正解だと思います。

難しく考えなくて大丈夫です。まずは、一つ触ってみることから。

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